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現場実況中継/地下OUB工法 地下スペースの有効利用




■2重壁は37cmのデットスペースが生まれる




 地下室の床からは、湿気が上がってきます。床からの湿気は、ポリフィルムシートを敷くことにより、防ぐことができますが、外壁からも湿気が入り込んできます。外壁からの湿気だけならまだしも、漏水が始まってしまうと手の施しようがありません。
 一般的に、地下室を造るときは漏水があることを前提に設計をすすめ、2重の壁を設けます。大規模な建物ならば、2重壁はいいのですが、住宅などの小規模の建物では、地下の外壁を2重壁にしてしまうと、部屋が狭くなってしまいます。
 地下の壁は、土の圧力を受けるので、この建物では、厚さが25cmの鉄筋コンクリート造になっています。2重壁の場合、壁の仕上げ面からさらに25cm程度の隙間をあけた上で、厚さが12cmのコンクリートブロックを建てますので、合計37cmのデットスペースが生まれてしまいます。
 また、湧水用のピットを設けるため、地下の床下をさらに1m50cm程度掘り下げる必要があります。


 例えば、3.3m×10m=33u、10坪(20畳)の地下のスペースを計画しても、一般工法では、2.56m×9.26m=23.7u、約7坪(14畳)のスペースしか利用できず、なんと3坪(6畳)のデットスペースがうまれてしまうことになります。いつも寝ている6畳間がデットスペースですよ!