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現場実況中継/地盤 れき層はもっと深い?



2000年7月11日

■調査はやらずにすませたい




 建設会社の伊藤さんから、平板載荷重試験はどうしますかという連絡が入った。この平板載荷重試験は、地盤がどの程度しっかりしているかを調査を行うもで、当然、調査には、約15万円〜20万円程度の費用がかかる。費用がかかることならば、できればやらずに済ませたい、と思うことは、ごく自然な発想。
 というのも、近所の工務店の友人に、このあたりは、地盤がしっかりしているという話しを聞いていたからである。1mぐらいは「関東ローム層(いわゆる赤土)」で、豆腐のように穴がほれて、その下は「れき層」があるということであった。れき層とは、子石まじりの非常に堅い地盤のことである。近所の別の方からも同じようなことを聞いたために、れき層がでるのであれば、地盤の状態は全く問題ないので、通常、設計を行う時に地質を調査するボーリング検査も省略している。

■関東ロームとれき層




 しかし、近所の地質調査を行った地質柱状図がFAXで送られてきて、状況は変わった。地質柱状図によると地下3.6mのレベルまで「関東ローム層」で、「れき層」はその下であった!
 建物は、地盤に支えられてしっかり建っていられるわけで、地盤がどの程度しっかりしているかが問題になる。今回の建物の重さは、設計であらかじめ分ってわかっており、452.4トンある。建物の面積が65.13uあるので、452.4トン÷65.13u=6.95トン/u、つまり1uあたり、6.95トンの重さとなる。当然、この重さが支えられないと、建物はしっかり建っていることができない。さらに、建物のバランス上の余裕度として、15%の余裕を考慮し、8トン/uとなる。そこで、1uあたり8トンの建物がささえられるかどうか、言いかえると8トン/u以上の地耐力があるかどうか、が問題になってくる。
 建築基準法には、地盤の状態によってどの程度の地耐力があるかが定められている。ローム層が5トン/u、堅いローム層が10トン/u、密実なれき層が30トン/uとなっている。
 れき層がでれば、地耐力は30トン/uあるので、6.95トン/uの建物は、全く問題なく建てられる。だが、ローム層の場合、5トン/u〜10トン/uと、地盤の状態によって差が生じる。
 構造設計の荒波さんに、地質柱状図をFAXで送信して、今回の状況を相談した。答えは試し堀であった。
 すぐに、1m角程度の穴を掘るように建設会社に指示をだした。試掘調査は、7月19日(水)に行うことになった。れき層がでてくれれば。